山(やま)とは、周囲よりも高く盛り上がった地形や場所のことをいう。地形学では丘陵や台地よりも周囲との相対的高度差(比高)や起伏が大きいものを指す。 平地と比べ、傾斜した地形から成る。[注 1]
概要
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定義、範囲
周囲とどの程度の高度差があれば山と呼ぶかについては、国や地域ごとの習慣、領域や研究者ごとに差異があり、一概に決まっているわけではない[1]。 たとえば日常生活で人々は、ある盛りあがった地形を指して、同じ人々が、ある時は「山」と呼んでみたり、またある時は丘陵、丘、岡などと呼んだりすることがあり、区別は必ずしも明確でない。
ブリタニカ百科事典では、相対的に2,000フィート(610m)の高さを持つものを山としている。
国際連合環境計画において定義された「山岳環境」は、以下のいずれかの条件を満たす地点を山岳と定義している[2]。
高度が少なくとも2,500m以上ある。
仰角が2度を越え、高度が少なくとも1500m以上ある。
仰角が5度を越え、高度が少なくとも1000m以上ある。
周囲半径7㎞以内で300m以上高度が上がっている場合、高度が少なくとも300m以上ある。
この定義を使用した場合、山岳地帯はユーラシアの33
北アメリカの24
南アメリカの19
そしてアフリカの14占めている[3]。また、地上の全陸地面積のおよそ24山岳地帯と定義されることになる[4]。
日本では、国土地理院が地図に示す名称に「山」を附ける場合、地方自治体の申請を以て表示するとしている[5]。
分類
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さまざまな分類法がある。 山の複合的なものを山岳(連山、山地、山脈)と呼ぶ。[注 2]
通常、陸上のものは単に「山」と言い、海中の山は海山と言う。
起伏の程度によって分類する方法もあり、低山性山地、中山性山地、高山性山地に分類される[1]。 山地を形成した営力によって分類する方法もあり、(1)火山作用で形成された山地(火山性山地)、(2)浸食作用で形成された山地(残存山地あるいは浸食山地)、(3)地殻運動によって形成された山地、などに大きく分類される[1]。そしてそれらがまた様々な観点から分類されている。
(1)の火山性山地は、形態や構造によって単式火山と複式火山(複成火山とも)に分類される[1]。単式火山には成層火山、楯状火山 等々等々が含まれ、複式火山にはカルデラや複数の単式火山の複合などが含まれる[1]。そしてカルデラ火山はさらに二重式火山や三重式火山に分類される[1]。また火山性山地はその噴出場所によって陸上火山、海底火山、氷底火山に分類される[1]。
(2)の浸食山地の分類としては、湿潤地域で生じる「残丘」、乾燥地域で生じるインゼルベルクやボルンハルトがある[1]。
(3)のタイプの山地はさらに、褶曲山地(しゅうきょく-)、曲隆山地、ドーム状山地、断層山地、傾動山地などに分類できる[1]。[注 3]
なお人工的に作った山は築山と言う。
山の高さ
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ヒマラヤ山脈
山の高さ(標高)は、海面の延長であるジオイドからの距離とすることが一般的であり、これを海抜(かいばつ)と言う。地球上の最高峰(最も高い山)はヒマラヤ山脈のエベレスト(海抜8848m)とされている[6]が、海抜以外の指標により最高峰を選ぶことも可能である。例えば、地球中心から見た最高峰は南米アンデス山脈のチンボラソ山(海抜6310m)である[7]。地球は自転の遠心力により回転楕円体となっていて、赤道付近がふくらんでいる。そのため、赤道からわずか150kmにあるチンボラソ山は、エベレストより2150mも地球中心から見て高くなっている。ハワイのマウナケア山も海抜では4205mだが、太平洋底から一気に10203mもせり上がっており、基盤部分からの標高では世界最高峰となっている[8]。(七大陸最高峰も参照。)
日本国内では、最高峰は富士山(標高3776m)である。対して最も低い山は仙台市の日和山(標高3m)[9]であるが、山の定義や地形学的分類あるいは地図作成測量により捉え方は様々であり、最も低い山の決定が難しい。
地球以外の天体では、ジオイドに相当する面からの距離を標高とする。ただし、地球以外の天体には海面がないので、天体ごとに恣意的に定義する。たとえば、火星でジオイドに相当するアレイドは、温度0.01℃で気圧610.5パスカルとなる面である。日本語では地球上、地球外共に「山」であるが、英語ではMonsといい、地球の山と区別される。
なお、太陽系で知られている最高峰は火星のオリンポス山であり、標高は約270000m(27㎞)に達する。火星にはこのほか
...省略されました。